心不全と上手に付き合っていくために役立つ情報・ツール
心不全は、適切な治療と日常生活の管理で進行を遅らせ、悪化を防ぐことができますが、完全に治すことは難しい病気です。心不全と上手に付き合っていくために、さまざまな団体が提供しているサポートを活用しながら、心臓によりよい生活を送りましょう。
「急に悪化して緊急入院」という事態を防ぐためには、悪化の兆しに早く気づくことが必要です。ご自身の体の状態を毎日記録し、ちょっとした体の変化も見逃さないようにしましょう。
毎日の記録は、カレンダーや使い慣れた手帳、または日本心不全学会が発行している「心不全手帳」を活用するとよいでしょう。
心不全手帳の後半に、「毎日の記録」というページがあり、体重、血圧・脈拍、自覚症状、運動の有無、服薬チェックなどが記入できます1)。これらを毎日記録しておくと、ちょっとした体の変化にも気づきやすくなります。また、受診時に、いつどんな症状が出たかなどを医師へ正確に伝えるためにも役立ちます。
心不全手帳は医療機関で無料配布されるほか、日本心不全学会のホームページからダウンロードし、印刷することもできます。
http://www.asas.or.jp/jhfs/topics/shinhuzentecho.html
心不全手帳「毎日の記録」シート
日本心臓財団などのホームページで心臓病に関するさまざまな情報提供が行われています。ご自身の生活に役立つ情報があるかもしれませんので、のぞいてみましょう。
心臓病の予防と啓発のための冊子がたくさん発行されています。バックナンバーがPDF版で掲載されています。
「心臓にやさしい」をコンセプトとして、誰もが美味しく手軽に取り入れられる健康レシピが紹介されています。
市民公開講座やセカンドオピニオンなどで、心不全などの治療に携わっている専門家のお話を聞くことや、心臓病に関する相談をすることができます。
日本心不全学会などの学会や医療機関などが主催する市民公開講座では、心不全などの治療に携わっている専門家のお話を聞くことができます。無料で開催されることが多く、心不全を患っている、いないにかかわらず、ご家族でも参加できます。
日本心臓財団が行っているサポートで、主治医に聞けなかったことなど心臓病に関する相談をメールで受け付け、回答しています。
心不全の治療では、入院や外科治療などにより、医療費が高額になるケースが少なくありません。
自己負担を軽減する制度(高額療養費制度、身体障害者の認定など)がありますので、ご自身に当てはまる経済的な負担軽減制度はないか、加入している健康保険組合や病院の相談員に相談してみましょう(「病院の取り組みや体制について」のページでも治療費の相談先について解説しています)。
また、基準に当てはまっていたとしても、自ら申請しないと制度を受けることができない場合がありますので、申請方法についてもお聞きするとよいでしょう。
心臓の機能に障害がある方に交付される手帳です。身体障害者手帳により、交通機関の割引、税金面での優遇などのサービスを受けることができます。
医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で上限額*を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。
*上限額は、年齢や所得によって異なります。
気になる治療費のこと
心不全の治療では、医療費が高額になるケースが少なくありません。
自己負担を軽減する制度(高額療養費制度、身体障害者の認定など)がありますので、詳しくは加入している健康保険組合や病院の相談員に相談してみましょう。
下記のページでも治療費について解説しています。
【参考】
一般社団法人 日本心不全学会:心不全手帳(第2版),2018.
http://www.asas.or.jp/jhfs/pdf/techo_book_new1_katamen.pdf(2020年5月12日閲覧)
POINT
さまざまなサポートを活用しながら、
上手に心不全と付き合っていきましょう。
心不全と上手に付き合っていくために活用できる、日々の自己管理に役立つ情報やツールについて、習慣にしていただきたい事項(体重や血圧測定など)、各機関が発行しているツールや提供している情報サイトなど、さまざまなお役立ち情報をご紹介しています。